考えたら遅くなるから、考えない

人間が物事をみて、それを解釈して、何かの動作をする時、どんなに急いでやろうと思ってもある程度の時間がかかります。

人間がものを認知してから行動を起こすまでの反応時間は、およそ 0.3秒位と言われています。

0.3秒というとあっという間に思うかもしれませんが、意外と長い時間です。

今、 RC カーがゆっくり 10km/h の速度で走行しているとします。このときでも 0.3秒では約 80cm も走ります。

これがどういうことかとういと、たとえ 10km/h のトロトロ走行でも、あなたが「よし、ここにきたから、次はこうしよう」などと考えて操縦していたら、 あなたの車は思った所より 80cm 程もズレたところを走ってしまうことになる、ということです。

だから、今の状況だけをみて考えて走っていたら、絶対にうまく走れません。これは人間の反応速度に限界があるからです。

それでは、どうすればよいか。

考えて操縦する代わりに「車がこうなりそうだ」「今の状況はこうだ」と感じ取るようにします。

現在の走行場所をはっきりみて操縦するとそれに反応するのは遅くなってしまうので、 目でみて感じ取った状況に合わせて、次にどんな風に車が走っていったら良いかイメージするのです。

恐らく、あなたも実車をそういう風に運転していると思います。

前をみて運転をしていても、具体的にタイヤがどこを踏んでいるか見続けているというより、 周りの車両との距離感、混み具合とかを感じ、いわば体が自動的にハンドルを切ったり、アクセルやブレーキを踏んでいると思います。

RC カーでもそういう風に状況を感じ取りながら走る必要があるのです。 (この点は非常に重要なので「手元を忘れる」にも書きました)

ちなみに、細かくいうと「こうなりそう」ということすら、言葉に置き換えてはダメです。脳ミソ内部の動作とはいっても、物事を言葉に書き起こすには時間がかかるためです。

車を良く観察して、車の雰囲気を感じ取りつつ、こんな風に車を動かしたい、というイメージだけを持ちつづけます

こうすることによって、人間の反応速度の限界にとらわれずに、車をスムーズに操縦することができるのです。