R/C レース開始の慣用フレーズと英文法
最終更新日: 10/5/2022
陸上競技のスタートの合図としては、日本では「位置について、用意、ドン」というのが一般的ではないでしょうか。 この合図の英語版は、 "On your mark, get set, go." です。
ラジコンのレースのスタートの合図では、これほどハッキリした慣用的なフレーズはありませんが、ある程度、決まった言い方はあります。
最も有名なのは、名物レースアナウンサー、スコッティ・アーンストさんがいつも言う、次のフレーズではないでしょうか。
Drivers are ready. Corner marshalls are ready. Good luck, drivers. We are going racing on the sound of the tone.
Good luck, drivers. が Good luck, everyone. になっていたり、少しバリエーションはありますが、We are going racing ... 以下は、ほぼいつも同じように言われます。
この他には、例えば次のようなスタートの合図などがあります。
- Go at the sound of the tone.
- Wait for the sound of the tone.
- Listen for your tone.
もちろん、これが全部ではありませんし、アメリカは自由な文化ですから、レースアナウンサーによって色々あると思います。でも、この辺の表現を覚えていれば、だいたい似たようなフレーズであることが多いので、アメリカでレースに参加してもちゃんとスタートできると思います。
ちなみに、文法のお話になりますが、We're going racing. のところは、どういう構造になっているでしょうか。
アメリカ英語の話です。他の国の英語でも同じかもしれませんが、違うかもしれませんので、ご注意ください。
ポイントは go to race ではなく、go racing というところです。
"go -ing" は、自由時間の活動、余暇・レジャー・趣味などの活動を表す表現です。レースに限らず、go shopping (ショッピングをする)、go fishing (魚釣りをする)、go hiking (ハイキングをする)、go mountain climbing (登山をする) など、多数の言い方があります。
なぜ、わざわざこんな特別な言い方を使うか、というと、一説には、アクティビティの全体をいいたい場合に使う表現なのだそうです。
例えば、「買い物をする」という行動は、厳密に言えば「レジでお金を払う」という部分が「購入している (買い物をしている)」という活動にあたります。しかし、普通「昨日、ショッピングモールで買い物をしたよ」というときは、 ぶらぶらと街を歩いたり、友達とおしゃべりをしたり、美味しいものを食べたり、といった、全体を指しているわけです。
こうした楽しい活動全体を指す表現として、go -ing という言い方を、特にレジャーで使うのだそうです。
そういうわけで、 go racing で「レースをする」という言い方になります。
go が付いているからといって、必ずしも「レースに『出かける』」と訳す必要がないことに注意が必要です。went shopping などでは、通常、家の外で買い物をするので、「買い物に出かけた」と訳すのは自然でしょうけど、上で説明したように go -ing は出かける、出かけない、という話をしたいわけではないのです。
以上から、We're going racing. という言い方は、 go racing「レースをする」と、ハッキリ決まった予定を表す現在進行形 (be doing) と組み合わせることで、「これからレースです」「レースのスタートです」となります。