「強く」走る
前の記事で「他人のペースで走る」ことが大事と書きましたが、 レースではもうひとつ大事なことがあります。
それは 強く走る ということです。
レースでは周囲に車がいて、後続車はあなたを抜こうとスキを伺っています。
あなたは前の車にスキがあったり、クラッシュがあればその機会を逃さず前に行きたいでしょう。
特に上位のクラスの人になればなるほど、こちらのミスを見逃さず、どんどんインコースに入り込んできます。
レースではある程度の接触は避けられません。
そのため、特にメインレースでは速く走ることに加えて、強く走ることが重要になります。
「強い」とは?
では、強いとは何でしょうか?
強さ、とは無敵マリオのごとく、相手の接触に影響されないことです。
ラップタイムが同じ車がいたとしたら、スピードが乗っている方が強く、同じスピードならスロットルが入っている方が強いです。
車 A, B が同じタイムで走っているのに、A より B が速いということは、A は最短コースを丁寧に走っている状況です。 B は最短距離は走っていないけど、コーナーリングでスピードを落とさずに丸く走り抜けるように走っている状況です。
この場合、コーナーリングで A と B が接触したら通常はスピードの遅い A の方がフラつきます。B はビクともせずにそのまま走り抜けます。
これが B の方が強いということです。
また同様に、同じスピードで走っている A と B がいて、A の方がスロットルが入っていたら A の方が強いことになります。
予選とメインレースは全く状況が違う
予選では良いタイムで走って上位にいけたのに、メインレースではさっぱり上位にいけない、ということもよくあると思います。
こうしたことがおきる大きな原因は、速いけど強くないからです。
予選では自分のことだけ考えて、タイムが出るように速く走ればそれで OK です。
しかし、メインレースでは状況は違います。特にレースの序盤戦は常に接近戦になるので、 これをしっかり走り抜くためには、速いことに加えて強くないといけないのです。 どうしてもある程度接触するので、簡単にクラッシュしていては上位にいけないのです。
このため同じ速さの車同士勝負したら、強い方が勝つ確率が高くなります。
強さはラップタイムに現れない
ラップタイムだけみて、「アイツよりオレの方が速い」とか「アイツと同じくらいのラップタイムだ」と思っていても、 いざレースをするとなぜか全然勝てない、という場合は、自分が弱々しい走りしかできてないことが多いです。
たまたま自分がクラッシュしたとか、相手は運が良かったと考えていてはいつまで経っても勝つことはできません。
クラッシュや接触に対して強い・弱い、ということを運の問題ではなく、技術的な問題と考えて対策を練る必要があります。