コーナー直後のダブル・トリプル
ここでは、コーナー直後にあるダブル・トリプルのクリア方法について説明します。
ダブル・トリプルというのは、2連ジャンプの後に3連ジャンプが続く状況です。
全体的に小さなジャンプであれば、どうやっても飛べるかもしれませんが、ここでは大き目のジャンプを想定します。
コーナーの直後にこうした大き目のジャンプがある場合はミスが多くなりがちで、レースの勝敗を大きく左右することになります。
基本的に、大きなミスをしないことを第一に考え、あまり無理せず、状況に応じて臨機応変にジャンプの飛び方を変えましょう。
基本は真っ直ぐ小さく
まずは基本的なクリア方法について説明します。
小さなジャンプを飛んだ後に、より大きなジャンプを飛ばないといけないので、ジャンプとジャンプの間の谷の走り方が非常に重要になってきます。
これを実現するための最初のポイントは「最初のダブルを真っ直ぐに、小さくクリアする」ということです。
コーナー直後で車体が真っ直ぐに向かないうちにジャンプに入ってしまうと、そのままコース外に飛び出してしまうミスが増えますので、 慌てずに車体の向きを変えてからダブルに入ります。
ダブルに真っ直ぐ入れば、谷の着地も自然と真っ直ぐになり、谷での加速もしやすくなります。
また、谷での加速を安定させるためには、あまりジャンプせずに、ダブルとトリプルの間の谷の下り坂への着地を狙いましょう。
トリプルもなるべく小さくジャンプして、下り坂に着地するようにします。下り坂を飛び越え、平地に着地してしまうと、着地の衝撃が大きくなり車体が跳ねる原因になります。 駆動輪が接地していなければ当然加速できませんから、結局たくさん飛んでも全体的に遅くなります。
着地と同時にスロットルを(少し)入れると、後輪が地面に押し付けられる力が働くので着地が安定します。
そのためにも、空中姿勢を調整し、タイヤが左右同時に接地するようにしましょう。またややフロントが下がった姿勢の方が、下り坂に対して水平になるので望ましいです。 また、前述のように着地の瞬間にスロットルを入れたいのですが、その時に既にフロントが上がった状態では、そこからスロットルを入れるとウィリーするような姿勢になります。
そのためジャンプはややフロントが下がる姿勢のほうが安定します。
「コーナー前のジャンプ」では、車体をひねることによって、着地時のブレーキ効果を狙いました。 しかし、今回は着地後に前に出る状況なので、逆にブレーキがかからないようにするための空中姿勢制御をします。
実際のジャンプは次のビデオのようになります。
発展編。ダブルでの姿勢制御
基本は上述の通りですが、これを、少し発展させます。
ダブルに入るために、より距離の短い内側のラインを通ることはできないでしょうか。
単純にダブルに斜めに入ると、前述の通り、次のトリプルで外に飛び出すようなミスに繋がります。
ダブルには斜めに入り、かつ、谷ではトリプルに対して真っ直ぐに加速できないでしょうか。
これは単純には上手く行きません。谷でステアリングを切って方向を変えようとしても、 通常は曲がりながらの加速は横滑りする可能性が高く、十分に前に進みません。このため加速が出来ず、その結果トリプルをクリアするのに十分な速度が出せず、腹を打ちひっくり返るような大きなミスになります。
この問題を解決するポイントは、ダブルの空中姿勢制御にあります。
ダブルをクリアするときに、空中で車体をひねると、着地の時点でトリプルに対して真っ直ぐ向けることが出来ます。
空中で上図のBのようにステアリングをきると、上から見て、車体が反時計回りに少し回ります。(前方から見ると時計回りにロールしてみえます)
この効果を利用すると、最初のダブルにパッと入れ、かつ、トリプルもクリアできるようになります。
さらにトリプルでも次のコーナーを考えて、姿勢を変えておくことも可能です。
次のビデオでは、最初のダブルで姿勢制御していることが確認できます。
ちなみに、このビデオ内で僕 (最後にトリプルの着地で失敗して跳ねた青白バギー) の前を走っている3人は、全員ワークスドライバーで、順番に TLR (ストックで全米優勝)、AE (ハチイチで世界4位)、TLR のチームドライバーです。
空中の姿勢制御はなかなか難しいことですし、大ジャンプでは転倒するなどの大きなミスの可能性が高いので、最初は無理にひねる必要はありません。真っ直ぐジャンプすることを心がけましょう。