英語では「名・姓」で名乗るべき
最終更新日: 2023年9月11日
今、アリゾナの Hobby Action Raceway で 1/10 スケール電動オフロードカーの世界選手権が行われます。
そこで一つ気付いた点があるので、指摘しておきたいと思います。
レース結果については、LiveRC のウェブサイトでリアルタイムで確認できます。そのレースリザルトを見ていて気付いたのですが、日本人の名前が「姓・名」の順番で記載されていました。
はじめにズバリ、いいたいことを率直に言うと、名前は「名・姓」の順番で書くべきです。
理由は非常に単純です。英語では「名・姓」の順番で名乗るものだからです。
日本人選手団の要望なのか、あるいは、単に運営側の手違いなのかはわかりません。
もし手違いなら話は簡単ですね。レースのオーガナイザに間違いを指摘するだけです。直ちに表記を直してもらえることでしょう。
もし意図的ならば、私はそのやり方に反対です。
英語では「ファーストネームで呼ぶこと」「ラストネームで呼ぶこと」に意味があります。 人を親しく呼ぶ際には「ファーストネーム」で呼びます。それが礼儀というものです。
一方、ラストネームで呼ぶということは、少々失礼な、高圧的なニュアンスが含まれてしまうことになります。
例えば、もし私が会社で上司に「オヤマ、部屋に来なさい」と呼ばれたら、「うわ、何か失敗して、怒られるのか!?」とビクッと思うことでしょう。
普通はラストネームを呼び捨てで、人を呼ばないのです。ラストネームを呼ぶなら「ミスター」などをつけます。(例えば、学校でヤマダ先生に挨拶するなら、「こんにちは、ミスターヤマダ」となります)
アメリカ人側も、ラストネームでは呼びたいとは思っていないのです。
野球の大谷翔平も Shohei Ohtani、ボクシングの井上尚弥も Naoya Inoue、モトクロスで活躍する下田丈も Jo Shimoda。
アメリカで認められるには、日本的な語順じゃないといけないとか、そんな話もありません。単に英語では 「名・姓」の順で呼ぶのです。
念の為調べてみれば、英語圏というと人口の比率でアメリカ (67.2%)、イギリス (16.9%)、カナダ (5.8%)、オーストラリア (4.5%) で合計 94.4% になります (Wikipedia "英語圏" より)。これら英語圏の主要国全てが、名前を表すときに「名+姓」という順番です。
英語では名前は「名・姓」で呼ぶ、と言って差し支えありません。
調べてみると、2020年から日本では公文書で、英語表記の場合でも「姓・名」としたとのこと。文化庁のウェブサイトには次のように理由が書いてありました。
国語審議会としては,人類の持つ言語や文化の多様性を人類全体が意識し,生かしていくべきであるという立場から,そのような際に,一定の書式に従って書かれる名簿や書類などは別として,一般的には各々の人名固有の形式が生きる形で紹介・記述されることが望ましいと考える。
私はこうした考え方は「多様性を意識する」ということは真逆のやり方だと思います。日本国民が多様性を意識することが望ましいのであれば、 日本的な表記にこだわらず、英語圏の文化を尊重し、英語的に「名・姓」の順番で記載するのが望ましいと考えます。
「国語審議会」とやらの立場で、それでは国語が乱れるというのであれば、今後、外国人が日本語を学ぶ際に、「姓+名」の順番で呼ぶことを徹底させたら良いでしょう。また、英語から日本語に翻訳するときには「姓+名」の順番に直す、ということを推奨するなど。(今後は、ジャクソン・マイケル、チャップリン・チャーリー、アイリッシュ・ビリーなどと呼ぶなど)
ちょっと話が大きくなりすぎたので、話を戻します。私は別に、日本政府に噛みつこうとしているわけではありません。
私は RC レースというホビー、しかも世界戦という最も権威のある場においては特に、単に技術を競い合って勝ち負けを決めるという敵対するものではなく、友好の場でもあるべきという立場に立ちます。
円滑で友好的なコミュニケーションを促進するには、アメリカで常識的な「名+姓」の順番で記載されているべきです。
今回 LiveRC で「姓+名」の順に記載されているのが、意図したものか、単なる手違いかはわかりません。理由はなんであれ、変な風に名前を覚えられてしまう前に、速やかに LiveRC 掲載の名前を直してもらうことをお勧めします。