LiPo バッテリー
昔はニッカド (ニッケルカドミウム電池 Ni-Cd) が主流でしたが、最近のラジコンカーでは LiPo (リポ) バッテリーを搭載することが多くなっています。
軽量、大電流の放電可能、メモリ効果がなく放電不要など、ラジコンカー用途として大変素晴らしい性能を発揮します。
このページではラジコンカーで LiPo バッテリーをどのように使うのか説明したいと思います。
「そもそも LiPo バッテリーってなんなのさ?」と思われる方は「LiPo バッテリーとは?」をご覧ください。
LiPo バッテリーの取扱いは十分注意。爆発の危険あり
LiPo バッテリーは軽量、大電流の放電可能、メモリ効果がなく放電不要など、ラジコンカー用途として大変素晴らしい性能を発揮します。しかしその一方で、取扱いを誤ると爆発する可能性があるため、特性を理解して正しく取り扱う必要があります。
ひとくちに「爆発する可能性がある」 と書いても、「よく電化製品の説明書に『発火の恐れがある』って書いてるよね~」と聞き流される可能性があると思うので、 強調して書きます。
取扱いを誤ると本当に火を吹いて爆発します。
「まさか、爆発なんて~」 という人は YouTube でリポバッテリーの爆発の様子をご覧になっておくことをおすすめします。
LiPo バッテリーの使い方と充電方法
特に安全に関わるポイントは次の通りです。
- 1C 充電が基本
- 安全のため LiPo バッグに入れて充電
- LiPo 対応の ESC を利用する
- LiPo 用の充電器を使う
- 他のタイプのバッテリー用の充電器は絶対に使わない
1C 充電が基本
C というのは CmA のことで充放電許容容量のことです。これはバッテリーが、1C はバッテリーが 1 時間充放電できる能力を表しています。
例えば 2000mAh のバッテリーであれば 1C は 2A の電流です。従って 2000mhA の LiPo バッテリーを充電をする際には 1C の 2.0A までの電流で充電を行います。
LiPo バッグに入れて充電
2010年の IFMAR 1/12 電動オンロードカー世界選手権では、LiPo バッグ (LiPo Charging Bag) の使用が義務付けられました。 発火事故が起きたためです。
私はそのことを知ってから、世界戦出場者でさえ事故を起こす可能性があることを念頭におき、常にバッグに入れて充電するようにしています。
まだあまり利用している人はいないかもしれませんが、万が一に備え LiPo バッテリーの充電中は LiPo バッグを利用しましょう。
LiPo 対応の ESC を利用する
LiPo バッテリーはその性質上、放電しすぎるとバッテリーの能力を失います。従ってバッテリーを破損させないために、放電しすぎないことが大切です。
従って LiPo バッテリーの利用を意識した ESC には電圧が低くなりすぎたときに動作を停止するための機能が付いているものがあります。ご利用になる ESC にこうした カットオフ機能があるかどうか確認しておくと良いでしょう。
他のタイプのバッテリー用の充電器は絶対に使わない
LiPo バッテリーでは過充電は厳禁です。セル毎に 4.2V を上限として充電する必要があります。
しかし複数のセルで構成された LiPo バッテリーは、セル毎に電圧のバラツキが出るのが普通です。このため LiPo バッテリーは各セルの状態をチェックしながらバランス良く充電する必要があります。
また LiPo バッテリーではデルタピークが検出されないので、デルタピーク検出型の充電器で充電すると過充電となります。
従ってバランス充電のできる LiPo 用の充電器を用いる必要があります。