ブラシレスモーター
従来のモーターではブラシ(整流子)を用いていました。ブラシのバネ圧、カット方法、慣らし方法、進角調整等など、メンテナンスは大変でした。
一方のブラシレスモーターではその名の通り、ブラシを利用しないモーターです。ブラシレスモーターはブラシの代わりに半導体スイッチを用います。
IFMAR でも利用が解禁されたことで 2006 年頃から日本でもグッと増えてきたそうです。
現在、ホビーレベルの EP RC カーではほとんどがブラシレスモーターを利用しています。
尚、ブラシレスの普及により従来のブラシ付きモーターは Brushed Motor と呼ばれています。
ESC はブラシレスモーター用の ESC を利用します。また後述のように、センサー付きとセンサーレスのブラシレスモーターでも、利用できる ESC が異なりますので、 ESC を選ぶときには注意が必要です。
センサー付きとセンサーレス
ブラシレスモーターではセンサー付きブラシレスモーター (sensored brushless motors) とセンサーレス (通常は特にセンサーレスのように書かない方が多い) があります。
センサー付きはローターの位置情報をより正確に ESC に伝える役目となるケーブルが接続されます。一方、センサー付きでないものでは、 ESC がローターの位置情報を電流から感知します。
一般的に、センサー付きモータは、起動時のトルクが大きく変化するような利用状況、あるいは RC カーのように高い初期トルクが必要とされる場合でよく使われます。 センサー付きブラシレス ESC モーターシステムは常にローターの位置を知っているために、ESC は正しくローターに動力を供給することが可能となります。
一方、センサーレス ESC はローターがある程度の速度になるまではローターの位置を知らないため、適切に電力を供給することができません。 このためセンサーレスのセンサーレスのモーターは初期トルクも弱い上に、電気的なノイズの多い状況では操作の信頼性が低下します。
センサー付きとセンサーレス、どっちがいいの?
両方利用してみた感想としては、明らかにセンサー付きのブラシレスモーターがお勧めです。
私はセンサーレスでは Reedy 3300kV (ESC:SC450BL) を、センサー付きでは LRP Vector X12 と Novak Ballistic を始め多数を使用。
上述のセンサー付き、センサーレスの違いの説明どおり、使ってみてもやはり低速回転時に特に大きな違いがわかりました。
センサー付きでは、低速回転域から高速回転までスムースです。一方、センサーレスではどうしても低速回転の制御が苦手であるためか、 急にある程度の高速回転となってしまいます。これはすなわち、スムースに加速可能かどうか、ということに繋がっていて、 操縦もセンサー付きのほうが楽であると感じます。
公園などで楽しむ程度なら低価格なセンサーレスでよいと思いますが、レースに出場することを見据えているなら、はじめからセンサーレスを購入したほうが良いと思います。
廉価な ESC でも、センサー付き、センサーレス両方をサポートするものも少なくありませんから、迷ったら ESC もそうしたものを選んでおくと良いかもしれません。
kV 値とは
進角零度、無負荷状態で 1V かけたときの回転数。kV 値が高いということは高回転型、低ければトルク型と判断できます。
通常、モーターの広告などではセンサードのブラシレスモーターは相当ターン数表記が強調され、センサーレスの場合は kV 表記が強調されます。