下から目線の、「レースで勝つための考え方、スキルセット」 考
2013/11/28
今日はいつもと趣向を変えて、R/C レースでどうしたら勝てるようになるのか、考えてみたいと思います。
あらかじめ告白しておきますと、普通、こういうのはレースで実際に勝ってる人が書くものであって、僕のように勝ってない人が書くものではないことは承知しております・・・（苦笑）
従いまして、頑張って書いても結局説得力もなさそうだなぁ、ということも承知してますが・・・（涙）
っていうか、誰も説得しようと思って書いてるわけでもなくて、僕はこんなこと考えてるんですヨン、ということです。
もし 「ここはこうじゃなくて、こう考えた方が上達するんじゃないか？」 という優しいご意見がありましたら聞きたいものだな、という希望をこめて書いてみました
というわけで、上から目線ではなく、キース流の下から目線でのこうやったら勝てるようになるんじゃないかな、という考察でございます。
R/C レースの一般的な展開
まず RC レースそのものについて考えてみましょう。
考察する対象が 「ヨーイドンでスタートして、速く走ってゴールする」 という理解では、何をどうしたらよいか、どこを改善したら良いか分からず、対策の立てようがありません。
５分のレースとして考え、大きく５つのステージに分けて考えてみます。
[1] スタート (0:00 – 0:02)
理想的な展開： 全車一斉にスムースにスタート。次のコーナーに秩序を守り進入
ここでよくある失敗： 前後の車両とクラッシュ。そこに巻き込まれる形で多重クラッシュ発生。
ポイント: スムースなスタート、加速に気をつける。
[2] スタート直後の展開 (0:02 – 0:15)
理想的な展開: スタートの状態のまま同様のペースでコーナーをクリア
ここでよくある失敗： 転倒した車両、無理に抜かしにかかり発生させたクラッシュに巻き込まれる
ポイント：スタート後のコーナーは最もクラッシュの発生確率の高い場所のひとつ。混乱に巻き込まれないよう、十分に気をつける。巻き込まれてしまったら、慌てず落ち着いて素早いリカバリを狙う。
[3] 序盤戦 (0:15 – 1:30)
理想的な展開：先頭グループでスムーズに走る。
ここでよくある失敗：単独のミスによる後退。
ポイント: 序盤戦 （1 ～ 3 周程度） は僅差での周回が続く場合がほとんど。ここではまだスタート後の様子見といえる。リズムに乗れない、緊張感が解けないなどの理由で、単独でのミスにより遅れをとる車が多い。相手のミスに巻き込まれずに走行し、抜かすことは考えずに自分が体勢を整えることに専念。
[4] 中盤戦 (1:30-3:30)
理想的な展開：相手のミスを窺い、相手の失敗を見逃さず前に出る
ここでよくある失敗：無駄に慌てて抜かそうとすることにより迷惑なクラッシュ発生。
ポイント: 独走する場合もあるが、通常1 ～ 3 台程度の競争がある。ミスしないで前を走る車についていく、あるいは後方を走る車と一緒に走るつもりで、淡々と周回を重ねることが重要。あまり攻め込まず、相手のミスを窺うほうが得策。相手の単独ミスには巻き込まれないように気をつける。
[5] 終盤戦 (3:30 – 5:00)
理想的な展開：ここまでに１位でなければ競争相手を抜き、１位でゴール。
ここでよくある失敗： 下手に守りに入りペースを乱しミスをする。強引に抜きにかかる人に巻き込まれる、抜きにかかりクラッシュを引き起こす。
ポイント: ここまで並走してきた相手も勝負を仕掛けに入る少し積極的に抜かしにかかる。そのコースの抜き所で勝負をかける。あるいはやられない。
R/C レースに必要なスキル
上でみたように、レースの５分間の間で、発生しやすい問題が変わってきます。
予選は通常 IFMAR 方式のスタートですから、スタートの難しさもほぼないですし、前後の車に配慮する必要もほとんどありません。 エチケット的には遅い車は避けてくれることになってますし。従って、予選は 「上手に理想的に５分間走りきる」 ということで、ＯＫ です。
しかし上述のようにメインレースはより状況が複雑なので話が違います。
「予選は速いんだけど、メインレースではダメなんだよね。」 という人、いませんか？
あるいは逆に、「予選はイマイチだけど、メインレースは強い」 という人もいると思います。
つまりこういうのは、運がよかった悪かったというより、予選とメインレースでは必要とされるスキルセットが違うために発生している現象なんです。
従って、メインレースで勝つためには、「上手に走る」 というだけの話ではダメで、もう少しレースシーンを意識した練習が必要になるわけです。
話が長くなってきたので、整理するとおよそ次の６個のスキルセットが重要といえます。
R/C レースで勝つための大切なスキルセット6個
（１） 停止状態からスムースにスタートできる
（２） 他人のペースで走れる
（３） 前後の状況をみながら走れる
（４） 相手のスキを見て抜かすことができる
（５） 当たり負けしない
（６） 緊張した場面で普段通り走れる
それぞれ簡単に説明すると次の通りです。
（１） 「停止状態からスムースにスタートできる」
当然ながらスタートのときに必要となります。スタートでコントロールを失うとその次の展開にも大きな影響を及ぼします。
（余談ですが、先日の僕のレースではスタートがフラフラっとしてあせりました （苦笑） スイーパーに入る前に立ち直れたので良かったですが・・・）
また、スムーズにスタートするのはクラッシュからのリカバリを早めるのにも必要です。
（２）「他人のペースで走れる」
レースでは他人の車両と接近していることが普通です。クラッシュを避けるためには、相手がスピードを落とせばこちらもスピードを落とさざるを得ません。相手の苦手なコーナーでは遅くなるでしょうし、こちらが得意なところでも相手が遅く感じることになるでしょう。このときに、クラッシュしてしまうと相手にも悪いですが、こちらも順位を大きく落とすことになります。
従って練習のときに理想的なラインを、理想的に走ることを心がけるのも大切ですが、それと同時に、理想的ではない走り方の人の後ろを着いていけるような、柔軟さも必要です。
時にはラインを変える、スピードを変えるなども大事になります。しかし、オフロードの場合、特にジャンプの入り方は人それぞれであることも多く、相手のペースで走ると特にジャンプで失敗することも多くなります。
（３）「前後の状況をみながら走れる」
これは（２） で説明したことと似ていますが、ここでいう前後の状況というのはもっと広い視点のことです。例えば、次のコーナーで相手の車両がクラッシュしていれば、それは相手を抜かす大事なチャンスです。しかし、それに気付くのが遅れてしまえば、こちらもそのクラッシュに巻き込まれしてしまうことになります。
少し広い視点を持って走ることができないと相手を抜くチャンスを失います。
（４） 「相手のスキを見て抜かすことができる」
相手が隙を見せたとき、例えばコーナーで大きく膨らむなどした場合に、そのスキにしっかり中に入り、内側から相手を外に出すといったことはレースで相手を抜く場合には重要です。
（２）で書いたように、相手のペースで走りながらも、相手の苦手箇所はどこか？チャンスはいつ来る可能性が高いか？といった展開を読むことも大切です。
（５） 「当たり負けしない」
いろいろな人から聞いた話を総合すると、どうもアメリカの方が日本のレースよりも当たりは強そうです。アメリカでは毎週３回から４回レースに出ている人もざらですから、レースのレースたる部分を好きなひとも多いのでしょう。ま、悪く言えば 「荒っぽい人が多い」 ということになるかもしれませんが・・・
しかし荒く抜きにかかられたからといって、「アイツがあんな強引な抜き方をするからこっちがやられた」 と不満をたれているだけでは、何も進歩しません。
当てられてもクラッシュしないためにはどうしたらよいか、そもそも当てられないためには、入られないようにするためにはどう走ればよかったか、考える必要があります。
ちなみに、この問題については、僕も常々考えているのですが、真後ろからぶつかってくるようなひとには、どう対処したらよいか、なかなか答えが出せないでいます。困ったものですが、対策を立てないと負けてしまいます。
（６）「緊張した場面で普段通り走れる」
精神面の強さです。これは常々練習のときから緊張感を持って走ることでかなりの訓練はできるでしょう。
しかしビッグレースともなると、普段あまり見かけない速い人がいて、そういうときにも冷静でいられないと負けてしまいます。気負ってオーバーペースになってミスしがちだ、といった精神面の問題を予め予想しておくことも大切です。
以上、レース中の問題点とそれに対応するスキルについて考えてみました。長くなってきたので、それに対する練習方法についてはまた別の機会に書きたいと思います。
いい車ができれば勝てる、いい走り方だから勝てる、という風に考えがち、語られがちですが、そうではありません。
いい車を作る、いいラインを走る・・・ といった要素は、R/C レースで勝つために必要な上述のスキルをサポートするものであると考えるほうが正しいのです。
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